防府が生んだ漂泊の俳人、種田山頭火。彼が幼いころ尋常小学校に通った道が「山頭火の小径」と呼ばれている。旧山陽道の裏通りでもある小径は、当時の面影を忍ばせる雰囲気が今も残っている。「山頭火ふるさと館」を中心に、生家跡と小学校跡地をつなぐ。
路地の雰囲気を大切にしつつ、道の分かりにくさを解消するため、石張舗装に真鍮製の草履の足跡を埋め、道しるべとした。
6つある案内サインには山頭火の豆知識を散りばめ、歩きながら山頭火の知識を深められる。沿道の家々の塀に下げられた山頭火の句板が、世界観を醸し出す。
防府に数ある名跡の陰に隠れながらも、この地の文化的な奥行きの深さを感じ取れるよう、願いを込めた。