西都市の中心市街を貫くように流れる桜川。400mにわたって桜が植えられ、寄り添うように遊歩道があったが、植込みはうっそうと茂り、舗装は老朽化が進み、市民から遠い存在だった。記紀の道の計画を議論する中、まちなかのこうした現状に対する危機感が、西都市民の根底にあった。
桜は都萬神社の祭神・コノハナサクヤヒメにゆかりのある花木であり、西都原の桜は市民の誇りにもなっているので、この川沿いの桜並木は貴重な存在である。余計な植込みは撤去して開放的な雰囲気を存分に引き出し、気軽に佇める場として幾つかのテラスを設けた。整備は現在も続いているが、やがて西都原の桜と同じくらい市民が誇りを持てる存在となることで、まちなかの魅力が向上していくことを目指している。