世界遺産・富士山の構成資産である山中湖の畔、山中湖村の主要玄関口の一つである平野交差点周辺の再整備プロジェクトである。地域が助け合う “結(ゆい)の文化”を色濃く残す平野地区の中心部の再整備にあたり、そのコンセプトを“地域のコミュニティをつなぐ 結のひろば”とし、官・民の事業主体と地元とが連携して交差点を挟む南北の敷地を一体的に整備した。
交通渋滞緩和のための交差点改良とともに歩行者の安全な横断動線を確保し、さらに広場境界部の開放的なつくりや高低差処理によって、交差点周辺に自由な通り抜け動線を創り出し、さらに地区全体の回遊性を高めようとした。
また、もともとあった古民家や既存樹、そして富士山をはじめとする周辺への眺望など、この場所が持っていた魅力を引き出す空間づくりにより、地元の方から来訪者までの多様なアクティビティの受け皿になることを目指している。
そして、地元から強い要望のあったお祭の開催に適した空間づくりによって、古くからの集落の中心部に「暮らしの風景」を戻すことができたと考えている。
この場所が、特徴的な地域コミュニティーをさらに強く結びつけるとともに、来訪者がここにしかない「暮らしの風景」や人々との新たな出会いを生み出し、平野地区全体の魅力が高まっていくことを期待している。